君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第5章 奇跡のあと

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ハンガーにコートをかけて、バッグも収納にしまうと、またドアを閉めて部屋を見渡してみた。ラブホテルって、もっとド派手なのをイメージしてたし、もっと狭いかと思った。思ったよりシンプルだし、普通の部屋と同じでソファやミニ冷蔵庫、ベッドも普通の形で、大きなテレビもあって、落ち着いていた。カラオケもゲームもできる。充電器もついてるから、携帯電話が充電切れになることもない。飲み物はミニ冷蔵庫で取り出すと課金されるし、フードも注文できるし、デリバリでピザや定食も頼むことができる。

「すごいわね。充実してる。一日いても、不便はないわね」

私が感心して呟くと、なかなかトイレから坂井さんが出てこないと思って、不思議に思った。まさか、トイレで倒れてるのかな?トイレとバスルームが同じドアの向こうにあって、耳を澄ますとシャワーらしき音が聞こえてきた。

ついでに、お風呂入るってわけね。

私はため息をついて、ベッドに俯せに倒れこんだ。

ほんと、慣れてるな、あの人。ホテルなんて、何度も来てるんだろうし。私一人、ドキドキして…。期待してる自分が、恥ずかしい。彼氏と別れたばかりなのに、私って不謹慎じゃない?でも、この気持ちに気付いちゃったから、どんどん欲張りになっていく。

坂井さんのことが、知りたい。何を考えてるのかも知りたいし、坂井さんに触れたいとも思う。
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