君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第5章 奇跡のあと

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「なんだ?トイレか?我慢だ、我慢。俺も膀胱パンパンなんだ」

「ホテル行こうか」

「えっ!?」

坂井さんは、中学生みたいな顔つきになって、驚いているけれどニヤついて私を見つめた。やらしい顔になった。こういう時は、目が輝くよね。ほんと。

「へんなこと考えてるでしょ」

「当り前だろ。普通」

「夕べ…寝てないんでしょ?あの事件があって、始末書も書かされてたんだから。だから眠たいかな、と思っただけよ。ヤマシイ気持ちはありません。安全運転のためよ」

私がそう言うと、坂井さんは窓の向こうに見えるラブホテル街に気が付いて、

「おっしゃ!トイレ!寝られる!メシ食える!それに……!」

と言いながらニヤッと笑って、少しずつ進む渋滞の中、やっと見えた出口にウィンカーを出してホテルに直行した。

思春期か!

そうして、私は生まれて初めてラブホテルに入った。テレビとかでよく見るシステム。パネルで部屋の画像がたくさん並んでいて、私は勇気を出して普通の部屋を選ぼうと手を伸ばすと、隣で坂井さんがヘンなプレイができる部屋のボタンを押そうとしてて、私は慌ててその手を止めた。

なんなの、この人。膀胱パンパンなくせに、考えることはマジで思春期の男の子?!

「やだ、そんなの。おちついて寝られないでしょ」

「でも、こんなの普通できないでしょ。モノは試しに」

「試さない。やだ」
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