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第3章 いびつなトライアングル
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獣のような梶原の魔の手から守るために、俺には何が出来るのだろうか。法律や権力に負けそうにもなった。
ただ、救いたいだけなのに。無邪気な笑顔を取り戻したい。そしていつか必ず、穏やかな幸せが訪れることを願うばかりだった。
あれは、恋ではなく妹のように思っていたのかもしれない。
俺は、今からでもちゃんと恋愛ができるだろうか。雪子を苦しめるだけに、ならないだろうか…。
*
私は、翔平とデートをしていた。
お台場でショッピングをして、その後映画を見ることになっている。ショウウィンドウに映る自分の姿を見て、私は立ち止まってしまった。
さっきから、ううん、朝からずっと、頭の中が坂井さんで一杯になっている。
浮気だよね、あれ。彼氏がいるのに、他の人とエッチしちゃったんだから。お酒に飲まれたからでもないし、強制されたわけでもない。流された?…ううん。それも違う。
本当は、ずっと望んでいたことだった…。
素直に嬉しかった。坂井さんに求められたことが、凄く嬉しかった。今朝も本当はずっと一緒にいたかったけど、もし坂井さんに「ごめん」とか「魔が刺した」とか言われたら…と思うと怖くなって、いそいそと逃げるように部屋を飛び出した。でも、本当はあの時、好きだって言えば、何か変わったんじゃないかな。
とはいえ、13歳も年下の私が告白なんかしたら、引くよね。絶対引くよね。冷たい目で否定なんかされたら、さすがに私も立ち直れないよ。
ただ、救いたいだけなのに。無邪気な笑顔を取り戻したい。そしていつか必ず、穏やかな幸せが訪れることを願うばかりだった。
あれは、恋ではなく妹のように思っていたのかもしれない。
俺は、今からでもちゃんと恋愛ができるだろうか。雪子を苦しめるだけに、ならないだろうか…。
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私は、翔平とデートをしていた。
お台場でショッピングをして、その後映画を見ることになっている。ショウウィンドウに映る自分の姿を見て、私は立ち止まってしまった。
さっきから、ううん、朝からずっと、頭の中が坂井さんで一杯になっている。
浮気だよね、あれ。彼氏がいるのに、他の人とエッチしちゃったんだから。お酒に飲まれたからでもないし、強制されたわけでもない。流された?…ううん。それも違う。
本当は、ずっと望んでいたことだった…。
素直に嬉しかった。坂井さんに求められたことが、凄く嬉しかった。今朝も本当はずっと一緒にいたかったけど、もし坂井さんに「ごめん」とか「魔が刺した」とか言われたら…と思うと怖くなって、いそいそと逃げるように部屋を飛び出した。でも、本当はあの時、好きだって言えば、何か変わったんじゃないかな。
とはいえ、13歳も年下の私が告白なんかしたら、引くよね。絶対引くよね。冷たい目で否定なんかされたら、さすがに私も立ち直れないよ。
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