君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
39 / 260
第3章  いびつなトライアングル

5

しおりを挟む
雪子はゆっくりと起き上がり、白い素肌の背中を俺に向けて、大きく腕を伸ばした。俺は寝たふりを続けて雪子の背中を見つめていると、雪子はベッドから両足を揃えて下ろして、

「帰るね」

と短く言うと、俺は咄嗟に目を開けて起き上がり、その少し冷えた素肌を抱きしめた。

「今日は休みだろ?土曜だし。ここにいればいい」

「でも、今日デートだし。昨夜からメールがジャンジャン来てるし。無視しちゃったから、言い訳でも考えながら…行くわ」

雪子はするりと腕をすり抜けて、床に散らばった服を集めて、テキパキと身に着けていく。そして着替え終わって、洗面台に向かって部屋を出ると、俺は上半身裸のまま、頭の中が真っ白で何も考えられなかった。少しすると、簡単に化粧をしてきた雪子が顔を出して、

「じゃあね。坂井さん、飲み過ぎもほどほどに、ね」

と言ってニッコリと微笑むと、素っ気なく帰って行った。



俺は、呆然としたまま、とりあえずベッドの上で正座した。(まだ真っ裸だけど)

え?
なんだ、これ?

なんで、俺がやり逃げされた、みたいになってんの?なんでこんなに、あっけなく初めての朝を迎えて、あっさり帰ってくんだ?
しかも、俺と寝た後に彼氏とデート?
じゃ、俺は???
なんか、俺、今、簡単に捨てられてないか?これ。

窓の外では、チュンチュンと雀がさえずり、俺はしばらく正座したまま、時間だけが過ぎていって、身動き一つできないまま午前中は終わった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

うちの娘と(Rー18)

量産型774
恋愛
完全に冷え切った夫婦関係。 だが、そんな関係とは反比例するように娘との関係が・・・ ・・・そして蠢くあのお方。 R18 近親相姦有 ファンタジー要素有

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...