君につづく道〜禁断の13〜

第3章 いびつなトライアングル

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解決に至ったから良かったけど、もし犯人が見つからなかったり、最悪自殺とかされたら、二年の歳月が無駄になるところだった。

今回の事件は、怨恨だった。

そういった怨恨の事件は、解決できたと言っても、胸が痛む。


何故、梶原守留まもるといい、九州の事件の加害者といい、みんな自分のことばかりなんだろう。助けて欲しかったのに、見捨てられた…と勘違いした大学生は、そもそも見捨てられた訳ではなかったのに。犯した罪をちゃんと認めて、償おうとすれば、救いようがあったのに。

それは、梶原守留もそうだ。自分がどんな残酷なことをしてきたのか、正面から向かい合って、反省してもらいたかったのに…。結局は精神的に参ってしまって、殻に閉じこもってしまったけど、救えなかった命がいくつもあった。

俺はしがない刑事だけど、一体何をやってるんだろうな。

が、自己嫌悪に陥るのは、ポリシーに反する。こういう時はとことん飲むしかないだろう。


＊

雪子には、連絡していない。

こっちに帰ってきたことも、報告していない。祐から、雪子には彼氏ができたことを聞いた。それなら、俺は関わらないほうが、イイと思う。その方が、あいつも幸せになるだろう。

そう思って、会社の宴会でついつい爆飲みし過ぎた。

目を閉じると、あいつの唇の感触が浮かぶ。キスしてる時の雪子、めちゃくちゃ色っぽいんだよな。潤んだ瞳も、下唇を舐める仕草も。キスだけで感じて、照れたように小さく喘ぐ声も…。