君につづく道〜禁断の13〜

第2章 二十歳のキス、その先は…

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会えなくても、家族。大人になってから、取り戻せるものも多いんだね。そんなことを、しみじみと考えていた。

そして、会社の同僚と、付き合い始めたんだ。彼の名前は、栃原とちはら翔平しょうへい23歳。高卒で私は就職して一年後に、翔平が大卒で入社した。だから年上だけど、後輩にあたる。年上なのに私に敬語を使うところが面白くて、話しているうちに告白された。

告白されてから半年ほど付き合って、初めて…彼の部屋にお泊まりした。

翔平は優しくて面白いし、気兼ねなく話せるから一緒にいて安心出来る。デートしても、さりげなくエスコートしてくれて、女性をちゃんと気配りしてくれるデキた男の人だ。祐さんクラスのタイプだろう。

だから、初めてお泊まりした時は、緊張もしたけど、結構普通に寄り添って、その流れで押し倒されて…ベッドイン。

それでも。

目を閉じると、あの人の顔が浮かぶ。

キスした時に、顎にザラザラしたものが当たらないのが、何故か違和感がある。ダメダメ…。あんなダメンズのことなんか、もう思い返さない。思い出さない。翔平がいてくれるんだから。何一つ不自由もないし、文句もない。幸せだと感じる。だから、これでいいんだよ。だって、あれからもう二年だよ。



あの時のキスなんか、もう時効だよね。

でも本当は、1人、傷ついてたんだ。

初めての人が、坂井さんじゃないってことに……。なんで？なんでこんなに、辛いと思ってしまうの？