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第2章 二十歳のキス、その先は…
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人気のある男子はボタンをもぎ取られるし、人気のある女子は告白の嵐だ。
私のクラスメイトの友達2人も、向こうで彼氏とイチャついている。私は1人になったので、もう帰ろうかと思って教室にバッグを取りに戻ろうとすると、
「雪ちゃん!」
と声が聞こえて、思わず咄嗟に振り向いた。そこには、範子おばさんが白いブラウスに黒のスーツ姿で現れて、
「卒業おめでとう!」
と言って駆け寄ってきてくれた。
「範子おばさん!来てくれたの?」
「当たり前じゃない!どうせ真波と次郎は来ないでしょ?あいつは…!」
範子おばさんはそう言いながら、拳を固めて震わせている。
真波というのは私の母親。次郎は父親。この2人をボロクソに言えるのは、範子おばさんくらいだろう。範子おばさんは、長い髪を後ろで一つに纏めて、相変わらず薄化粧だ。範子おばさんもこの学校が母校のようで、一緒にいると進路指導の50代の男性教諭が通りがかって、
「うわっ!範子!」
と驚いて動揺している。範子おばさんはニヤニヤ笑いながら、
「どうも!お元気そうで!お腹、随分と出てますよ!メタボかー!」
とその先生に地雷発言を落とし込んだ。
やめて~!卒業式に、事件起こさないでよ、範子おばさん~!!
私はそう思って、思わず苦笑いになってしまう。範子おばさんは、高校生の時は不良チームにいたらしい。結構なワルだったとか。レディースにも入って、ボス的な存在だったと聞く。
「もう立派な大人だね、雪子ちゃん」
私のクラスメイトの友達2人も、向こうで彼氏とイチャついている。私は1人になったので、もう帰ろうかと思って教室にバッグを取りに戻ろうとすると、
「雪ちゃん!」
と声が聞こえて、思わず咄嗟に振り向いた。そこには、範子おばさんが白いブラウスに黒のスーツ姿で現れて、
「卒業おめでとう!」
と言って駆け寄ってきてくれた。
「範子おばさん!来てくれたの?」
「当たり前じゃない!どうせ真波と次郎は来ないでしょ?あいつは…!」
範子おばさんはそう言いながら、拳を固めて震わせている。
真波というのは私の母親。次郎は父親。この2人をボロクソに言えるのは、範子おばさんくらいだろう。範子おばさんは、長い髪を後ろで一つに纏めて、相変わらず薄化粧だ。範子おばさんもこの学校が母校のようで、一緒にいると進路指導の50代の男性教諭が通りがかって、
「うわっ!範子!」
と驚いて動揺している。範子おばさんはニヤニヤ笑いながら、
「どうも!お元気そうで!お腹、随分と出てますよ!メタボかー!」
とその先生に地雷発言を落とし込んだ。
やめて~!卒業式に、事件起こさないでよ、範子おばさん~!!
私はそう思って、思わず苦笑いになってしまう。範子おばさんは、高校生の時は不良チームにいたらしい。結構なワルだったとか。レディースにも入って、ボス的な存在だったと聞く。
「もう立派な大人だね、雪子ちゃん」
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