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第2章 二十歳のキス、その先は…
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今日は高校の卒業式。
私は、卒業後は一般事務の仕事が出来る会社に就職した。銀行系は難しかったけれど、保険会社の事務は思いの外早めに内定を貰えたので、3年の冬は学校には殆ど遊びに行ってるようなものだった。クラスには親友と呼べるような友達はいないけれど、いつも一緒にいてくれる友達は2人くらいいた。みんな深いことは探り合わないし、三人でいても、それぞれ本を読んでいたり、漫画を読んでいたり。親友と呼べるかどうか分からないけれど、一緒にいて落ち着ける存在ではあった。
でも、2人には彼氏がいて、時々彼氏の話題で盛り上がる時がある。そんな時、
「ねぇ、雪子ちゃんの彼氏は?」
「例の刑事さん。どこまで行ったの?」
と聞いてくる。私はうーんと唸って、返答に困ってしまう。
「彼氏じゃないから。30代だよ。私なんか相手にもされないんだから」
それももう、お決まりのセリフ。次第にみんなも、もうそれ以上聞いてこなくなった。
そう。
18と31なんて、あり得ないカップルだ。恋愛対象になんか、なれない。きっと、坂井さんは私を好きにならないし、私も坂井さんを好きになるわけがない。
でも。
あの時のあのキスは、最高に、気持ちよかったけど。
*
卒業式が終わると、みんなは講堂を出て、中庭で在校生や教師たちとのお別れ会をしていた。卒業生を中心に保護者たちや教員、高校の事務所の事務員たちも出てきて、それぞれ挨拶をかわしている。
私は、卒業後は一般事務の仕事が出来る会社に就職した。銀行系は難しかったけれど、保険会社の事務は思いの外早めに内定を貰えたので、3年の冬は学校には殆ど遊びに行ってるようなものだった。クラスには親友と呼べるような友達はいないけれど、いつも一緒にいてくれる友達は2人くらいいた。みんな深いことは探り合わないし、三人でいても、それぞれ本を読んでいたり、漫画を読んでいたり。親友と呼べるかどうか分からないけれど、一緒にいて落ち着ける存在ではあった。
でも、2人には彼氏がいて、時々彼氏の話題で盛り上がる時がある。そんな時、
「ねぇ、雪子ちゃんの彼氏は?」
「例の刑事さん。どこまで行ったの?」
と聞いてくる。私はうーんと唸って、返答に困ってしまう。
「彼氏じゃないから。30代だよ。私なんか相手にもされないんだから」
それももう、お決まりのセリフ。次第にみんなも、もうそれ以上聞いてこなくなった。
そう。
18と31なんて、あり得ないカップルだ。恋愛対象になんか、なれない。きっと、坂井さんは私を好きにならないし、私も坂井さんを好きになるわけがない。
でも。
あの時のあのキスは、最高に、気持ちよかったけど。
*
卒業式が終わると、みんなは講堂を出て、中庭で在校生や教師たちとのお別れ会をしていた。卒業生を中心に保護者たちや教員、高校の事務所の事務員たちも出てきて、それぞれ挨拶をかわしている。
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