君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

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第1章 へっぽこ刑事とクールな女子高生

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私はキッパリと言って仁王立ちになった。坂井さんは肘をかけながら私を見上げて、

「頼むよ~!夕飯奢る!なんでも買ってやるから!3千円以内で!」

とだるそうに言うけど、全然真剣味がない。

「そもそも3千円のどこが『なんでも買ってやる』になるんでしょうか?安すぎる」

「え?金額の問題?でも俺も安月給なんだよ。こないだもちょっとミスったら減給されちゃってさぁ」

「じゃあ自業自得じゃない?この際お嫁さん貰った方が得策かもしれないけど!」

「ん~。やだ」

子供みたいだ。私は腕まくりをして、ベランダに出られる窓を開けて網戸だけ閉めると、

「奢ってくれるんでしょ?とりあえず、掃除くらいするわよ。邪魔しないでね」

と言って微笑むと、坂井さんは嬉しそうに笑って、

「さすが、出来る女子高生!頼むよ、雪子」

と無邪気に言いながらタバコをふかした。

「どうでもいいけど、未成年と密室にいてタバコ吸う神経が分からない。ベランダで吸ってください!」

と私はベランダの方に指差して言うと、坂井さんはのっそりと立ち上がり灰皿を持って、

「へいへーい」

と言いながらベランダに出て行った。
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