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第1章 へっぽこ刑事とクールな女子高生
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「てか、高3になったんだよな?合意の上で、真摯な付き合いなら犯罪にはならないんだぞ」
タバコに火をつけて窓を開けて坂井さんが言うと、私はため息をついて頬杖をついた。
「それ、色々間違ってるでしょ?合意、真摯…?え、じゃあ、私たちが真剣に付き合ってるってことでしょ?あり得ない」
「お前、可愛くないな」
「どーも」
私は目を閉じて言うと、坂井さんは微笑んでタバコを噛みながら右手でハンドルをさばいて、私の頭を優しく撫でた。
「安心しろ。お前みたいなガキに手を出すバカはしねぇよ」
坂井さんの言葉に、私は坂井さんを見て頭の上に乗った手を払い除けた。
「私も、おじさんには興味ありません」
「じゃ、成立したな」
でも。
坂井さんのその笑った顔、結構好きだけど。絶対言わない。つけあがりそうだし。私はそう思って、微笑みながら窓の外を眺めていた。
坂井さんのマンションに到着したのは、18時頃だった。まだうっすら空は明るくて、気候も暖かく過ごしやすい。季節は5月。ゴールデンウィーク中で、あさってまで学校も休みだった。代々木にある単身用マンションの3階の坂井さんの部屋に来ると、坂井さんは鍵を開けて中に入り、
「スリッパないけど、いいよな?」
と振り向かずに言って部屋に上がると、私ははあっとため息をついて、
「知ってる」
と呟いて靴を脱いで、私も部屋に上がった。
タバコに火をつけて窓を開けて坂井さんが言うと、私はため息をついて頬杖をついた。
「それ、色々間違ってるでしょ?合意、真摯…?え、じゃあ、私たちが真剣に付き合ってるってことでしょ?あり得ない」
「お前、可愛くないな」
「どーも」
私は目を閉じて言うと、坂井さんは微笑んでタバコを噛みながら右手でハンドルをさばいて、私の頭を優しく撫でた。
「安心しろ。お前みたいなガキに手を出すバカはしねぇよ」
坂井さんの言葉に、私は坂井さんを見て頭の上に乗った手を払い除けた。
「私も、おじさんには興味ありません」
「じゃ、成立したな」
でも。
坂井さんのその笑った顔、結構好きだけど。絶対言わない。つけあがりそうだし。私はそう思って、微笑みながら窓の外を眺めていた。
坂井さんのマンションに到着したのは、18時頃だった。まだうっすら空は明るくて、気候も暖かく過ごしやすい。季節は5月。ゴールデンウィーク中で、あさってまで学校も休みだった。代々木にある単身用マンションの3階の坂井さんの部屋に来ると、坂井さんは鍵を開けて中に入り、
「スリッパないけど、いいよな?」
と振り向かずに言って部屋に上がると、私ははあっとため息をついて、
「知ってる」
と呟いて靴を脱いで、私も部屋に上がった。
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