君につづく道〜禁断の13〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
5 / 260
第1章 へっぽこ刑事とクールな女子高生

5

しおりを挟む
そんな萌梨とようやく話すようになったのは、意外な出来事からだった。

ある日突然、滋から呼び出された。何かと思ったら、萌梨を梶原家から救出する作戦を決行するので、手伝ってほしい、とのことだった。なんのことだ?なんの前触れもなかったので、全然分かっていなかった。滋に連れてこられたのは、とある単身者用の9階建てのマンション。

滋は息を切らしながらマンションに入っていくと、エレベーターで3階に上った。

「な、なにがあるの?ここで何してんの?」

滋に腕を掴まれてここまで来ると、私は滋の横顔を見つめた。

「萌梨がさ…熱出して倒れたんだ。で、帰りたくないって泣いてたんだよ。だから、知り合いの部屋で預かってもらってる」

「は?預かって…って、荷物とかじゃないのよ!帰りたくないって…」

「多分、前に雪子が心配してたこと、当たってるんだ」

「え?」

エレベーターを降りて、3つ目の部屋の前で足を止めた。

「ねぇ、知り合いって、誰?こんなとこに住んでるような知り合いなんていたの?その人、信用できるの?騙されてない?」

私は何だか心配して、私の腕を掴んでいる滋の腕を掴み返した。

「今日知り合ったばかり」

「は?!」

馬鹿だったか!

私は思わずため息を溢すと、滋はインターホンを押した。すると、すぐに男の人の声が聞こえて10秒もしないうちにドアが開いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら養子の弟と家庭教師に好かれすぎて、困っています。

ももね いちご
恋愛
普通のOL高坂真姫(こうさかまき)が、転生したのは 、フランス王国だった!? 養子の弟と家庭教師の好き好きアピールに悪戦苦闘の毎日。 しかも、その家庭教師は元〇〇で……!? 揺れ動く、マキの心情に注目しながらお楽しみください 「休刊日不定期であり」

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

そこは優しい悪魔の腕の中

真木
恋愛
極道の義兄に引き取られ、守られて育った遥花。檻のような愛情に囲まれていても、彼女は恋をしてしまった。悪いひとたちだけの、恋物語。

続・上司に恋していいですか?

茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。 会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。 ☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。 「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...