続・君につづく道

第37部 優しく叱って抱きしめて

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「ちょっと、疲れが出たのよ。気がつかないうちにお腹のこととか気を遣ってたりして、疲れちゃったのね。 ちょっと入院して、すぐ帰れるから、そんなに心配したり泣いたりしちゃダメよ。赤ちゃんも『ママ』の気持ち感じるんだから、不安になるわ」

「…はい。お母さん…美夜…ありがとう」

少し落ち着いて、目を閉じた。それでも、今度は安心して、涙がまた溢れてくる。

「会社には私から連絡するわね」

お母さんはベッドの横の棚の引き出しを開けて私のバッグを出すと、バッグの中からスマホを出した。

「あ、□○会社って名前ね。この時間だと、上司に連絡した方が…。井川課長って名前が出てくると思うから…。あ、私が電話するわよ」

私が起き上がろうとすると、美夜が慌てて私の肩を押してまた寝かせて、

「だめよ。今はじっとして。寝てて。点滴も打ってるからね」

と言うと、私は右腕に確かに点滴を打たれていて、「あ」と声を出した。その隙に、お母さんは私のスマホで電話をかけに、病室を出て行った。気がつくと、個室だ。お母さんは有名人だから、こういうとこに、無駄にお金を使う。すると美夜が椅子に座って、まだ心配そうに私を見つめてくる。