続・君につづく道

びぅむ

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第37部 優しく叱って抱きしめて

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18時半頃。駅前で美夜と待ち合わせをして、電車で私の家まで向かおうとすると、電車は人身事故で遅延して運転見合わせとなってしまった。

「え?運転席見合わせ?!」

「さっきまでは遅延だったのに、運転見合わせって。また違う事故か故障かな」

美夜も驚いてキョロキョロすると、電車の中は満員で、駅のホームのベンチも満席だった。

「今日、坂井さんは?」

「出張。なんか事件の調査で名古屋に行ってるのよ。帰れなそうって」

「そうなんだ。ねぇ、座るとこないけど、大丈夫?ゆきねぇ、顔色、悪くない?」

「美夜。……やばい…。お腹…痛い、かも」


「え?」

私はその場に膝をつけると、だんだん痛みが強くなって美夜の腕を掴みながら、

「怖い。怖い…!美夜!」

と言いながら、気が遠くなってしまった。

「ゆきねぇ?!」



どうしよう。


どうしよう…。


怖い。赤ちゃん…。

私と理の赤ちゃんが……。

助けて…。

理…、怖い…!

怖い……!!
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