続・君につづく道

びぅむ

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第35部 サプライズを計画しよう

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とか言って。この職場に理が押しかけてくることはないから、安心だな。そうして上司に相談と報告を終えて事務所に戻ると、

「お、雪子ー!」

と理が手を振ってそこにいた。私はその瞬間、思い切りコケそうになった。

「え?!理?!なんでここにいるのよっ!」

「お前、もうすぐ上がりだろ?迎えに」

「迎えに、じゃなくて!ここ、会社よ。普通入れないでしょ?!」

部署のみんなも、不思議な顔をして私たちを見ている。佐久間さんや徳田さんも、何事かと驚いて理を見つめている。上司も私の後ろから現れて、

「あれ?君は確か…」

と言って驚いて理を見た。

「報告はした?」

理が私に言うと、私は頷いて、

「うん。たった今終わったとこ」

と答えると、

「みんなには?」

とまた理に聞かれてギクッとして目を逸らした。

「言ってねぇな?お前」

「え?必要、ある?」

「あるだろ!」

やっぱり。

理はみんなを見回して、パンパンと手を叩き、

「はい、注目!手を止めて、こっち見る!」

キンパチ先生か!

事務所にいるみんなは私と理に注目する。理は私の肩を抱き寄せて、

「ここにいる渡部雪子は、俺と結婚しました!」

「えっ?!!」

男女問わず、みんなが同時に驚いて身を乗り出すと、私は頭を抱えたくなった。
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