続・君につづく道

びぅむ

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第34部 理でもわかるエッチ講座

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翌日は土曜日。

雪子の実家に挨拶に行く。前もって連絡してあるから、雪子の両親は揃っているはずだ。

土曜日とはいえ本当は俺は出勤する日だったが、榊原さんの協力もあって代休することになった。

「あー、胃が痛い。緊張する」

結婚初夜の翌日。午前中に1度マンションに帰り、着替えながら俺は呟いた。ポロシャツにチノパンを履いて、靴下を履いていると、雪子が俺に歩み寄って、

「そんなに緊張しなくて大丈夫よ」

と微笑んで言うと、一緒に姿見を覗き込んだ。雪子は白いブラウスに襟元には大きなリボン。膝丈の薄いピンクのフレアスカート。シンプルだけど、清楚な感じがする。

「あ、お前、今夜署に行くのか?」

「え?なんで?」

「夕べ星野に言ってたろ?電話で。正座、とか、土下座…」

「ああ、あれ」

クスッと含み笑いになって、雪子は鏡台の化粧ボックスから口紅を取り出した。

「行かないわよ。でも、行かないって誰にも言わないでね」

「どういうこと?」

「いつ来るのか、とか、本当に来るのか、とかドキドキして、帰るに帰れない…。その恐怖を味わうといいのよ…!」

ふふふふ…と笑っている。

「おまえ、こえぇな。さすがだな。俺以外にはドSだよな」
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