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第33部 初夜
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しおりを挟む「駄目よ。ケーキ。ケーキ!」
「わーかったよっ」
理は吹き出して笑うと、窓際のテーブルに置いた白いボックスからケーキを出して、ボックスからプラスチックのフォークを二つ取り出した。理は椅子に座って、私はそんな理の隣に椅子を寄せて並んで腰を下ろした。理はフォークで一口分ずつカットして、フォークにケーキを乗せると、
「ほら、あーんだよ。あーん」
「まじで?」
「はーやーくー!」
と言いながらニヤニヤ笑っている。
私に食べさせてくれるの?!理が!?
私はドキドキしながらも、とりあえず理はご機嫌なので、大人しく従っておこうと思って口を開けた。
「どう?うまい?甘い?」
「甘いっ!美味しい!」
私は思わず満面の笑顔になった。甘すぎない生クリーム。柔らかいスポンジ。理はケーキの上に乗っているイチゴを手で摘んで私の唇に当てると、私はとりあえず一口だけかじった。すると、残りを理がパクリと食べた。
「うん。うまいイチゴ」
こんなバカップルみたいなことを、私たちがするなんてね。こんな甘い時間、今までなかったよ。
理はフォークを置くと、指でケーキの生クリームをすくい、また私の唇にあてた。イチゴで味をしめたらしい。また私はドキッとしたけれど、そのままその指を加えて舐めると、生クリームの甘さと理の指の味が混ざり合って、なんだか急にエロい感じがした。
「俺にも、指でクリーム、舐めさせて」
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