続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
556 / 652
第33部 初夜

1

しおりを挟む
「なんか、凄いな。部屋に頼めばケーキ持ってきてくれるんだ。サービススゲェな。でもなんで頼まなかったんだ?」

と理が感心しながら言うと、私は理を見て、

「部屋に入ったら、2人だけの時間だもん」

と素直に答えると、理は目を丸くしたけれど、コーヒーをグビッと飲んで、ナプキンで口元を拭いた。

「じゃ、行くか」

「はやっ」

そうして、私と理はレストランを出て、ホテルのフロントからカードキーを受け取ると、エレベーターに乗り予約している部屋に向かった。スイートまでは行かなくても、そこそこ上階で部屋には大きな窓。そして、レインボーブリッジもスカイツリーも見える夜景が広がっていた。写真のような光が瞬く景色にうっとりして、私は窓から離れられない。

すると、理がゆっくりと背中から抱きしめてくれた。

「気に入った?」

「うん。もちろん」

「ケーキ、食べる?」

「…食べる」

「え、今食べるの?このムードで?」

何故か理は顔を上げて、後ろから私の顔を覗き込む。

「エッチするって言うと思ったのに」

「え?だって、ケーキ。早く食べたい。あのプレート、もう一回見たい」

私は向きを変えて理に抱きついて、下から理を見つめた。

「あんな素敵なサプライズ、嬉しすぎるもの。松林さんにお礼言わなきゃ」

「えぇ?いいよ、あいつには」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

処理中です...