続・君につづく道

びぅむ

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第32部 旦那さま

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私の自慢の旦那様。見せびらかしたいような、誰にも見られたくないような…。私は立ち上がって、すぐに理の腕にしがみついた。理は首を傾げて、

「え。なに?お前も発情…」

とニヤニヤして聞いてくる。

「してないから」

私が即答すると、チッと舌打ちしてる。私はそんな理がやっぱり大好きだ。理はまた私の顔を覗き込むと、

「じゃ、奥さん、行きますか」

と微笑んで言うと、私は「はい!」と頷いて答えてバッグを持ち、二人でカフェを出て行った。

それから、フレンチレストランで特別ディナーのステーキコースを堪能した後、コースにはないケーキが運ばれてきた。コースに含まれているデザートも食べたはずなのに。その後にホールケーキが運ばれてきて、私は驚いて理を見ると、

「これ、どうしたの?理のサプライズ?」

と訊ねてみると、理は頭を横に振った。

「いや。これ、マツから」

「え?」

「前に、お前が署に来て妊娠のことを俺に報告しようとしてたんだろ?俺は知らなかったけど。その時俺とマツの会話を聞いてお前が家出したもんだから、マツが後からそれを知って結構落ち込んでた。俺にめっちゃ謝っててさ。別に悪いこと言ってたワケじゃなかったけどね。最後まで聞けばよかったのに、中途半端に悪いとこだけ聞いて、お前が一人で逃げちゃったんだから」

理は苦笑いになって言うと、私は真顔になって理を見つめた。
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