続・君につづく道

びぅむ

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第32部 旦那さま

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「えーーっ?!」
「マジか!」
「雪子ちゃん、やっぱ坂井さんの毒牙からは逃げられなかったか」
「こんなケダモノの子供を…」
「俺らのマドンナが…」

なんか、みんな好き勝手に言っている。理はゴホッと咳払いをすると、

「そういうことなので!!とりあえず、報告な!うちの雪子を、よろしく頼むよ」

理はニッコリ笑って私の頭をさすると、私はまた感動して涙ぐんでしまった。

『うちの雪子』

たまらない。

甘い甘い、とろけそうなくらいに甘い言葉。

みんなが口笛を吹いたり拍手をして喜んでくれて、理は私を見つめて、

「よろしくな、奥さん」

と言うと、私は泣き笑いになって頷き、

「うん。旦那さま」

と照れながらも言ってみた。すると、理は顔から火が出そうなくらい赤く染まって、

「うわーーーーっっ!」

と叫んでみんなに背を向けた。みんなはそんな理に歩み寄り、

「照れてる照れてる!」
「坂井さんが!!」
「顔、真っ赤!」
「雪子ちゃん、それ、もう一回言ってあげて」

と代わる代わるに言うと、私まで恥ずかしくなった。
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