続・君につづく道

びぅむ

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第32部 旦那さま

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私が言うと、理は両手で私を抱きしめた。

「さ、いくぞ」

「うん」

出勤する前に、区役所に婚姻届を提出する。普段理は誕生日や記念日などお祝いするタイプではないし、それは私も同じだ。でも結婚記念日となると、それはこれから、毎年お祝いしたい日になるな、と理は言ってくれた。だから、入籍した日は、2人の記念日として毎年お祝いしよう、とお互いに決めたんだ。

私は有給を使って少し休暇を取っていたけれど、今日からまた出勤する。会社には少し遅れて出勤すると連絡をしていて、理も午後から出勤することになっていた。だから理は普段通りの格好だし、私も出勤するからいつも通り。気持ち、よそゆきの白いワンピースにしたけれど…。パンプスはカカトの低い靴にした。ヒールのある靴は、理に怒られた。

そんなにつわりは、酷くない。よく、妊娠初期はつわりが酷いとか、体調が悪いことを聞くけれど、私はそこまで酷くなかった。なので、仕事はギリギリまで続けて、その後は産休にして、いずれまた復職しようと思っている。初めてのお産だから、どうなるかはまだ分からないけど、それが今、理と話し合って出した結論。
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