続・君につづく道

第31部 サヨナラなんか出来ない

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雪子は、結婚なんかに拘ってなくて、俺といられるならそれだけでよかった、と言っていたと言う。好きだから、そばにいられるならそれでよかったんだ。

それは、俺だって同じなのに。

でも、子供ができたら、子供のことも大切に思えて、俺と子供、どちらかを選ばなくてはならなくなった。でも、雪子はどっちかを選ぶことなんか、出来なかった。選ぶことなんか、出来ないのに。両方、欲しいと願ってしまうのは、当然なのに。

俺か、子供か、なんて、そんな選択することない。愛してるんだから、答えなんか、一つしかないだろ？馬鹿やろう…っ！

運転しながら、涙で前が霞んでしまう。
悔しくて。
悲しくて。
雪子が一人で蹲って泣いているのかと思うと、すごく辛い。

泣くなよ…。泣くなよ、雪子…！

頼むから…！



旅館に着くと、四人一部屋でチェックインした。滋と雪子は別々に部屋を取っていると、滋から美夜に連絡が入った。そこは俺にも美夜にも、気遣ってのことだろう。

「温泉かぁ」

俺が部屋にある浴衣とタオルを持っていこうとすると、祐が俺の肩を掴んで立ち上がらせて、

「そんなの後でいいから、とっとと話してこい！！」

と言って部屋から追い出された。