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第31部 サヨナラなんか出来ない
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美夜は滋とはまだ一緒に暮らしていない。現在短大生の美夜は、東京の大学に通っていて、祐さんと暮らしている。でも、滋の部屋の合鍵は持っているんだろう。
「今日はね、滋、遅くなるって。滋に何か相談したかったんでしょ?LINEしてみる?」
美夜はキッチンにいて。買ってきた食材を片付けていた。私はソファに座って、俯いている。そして、美夜はゆっくりと歩み寄ってきて、私の隣に腰を下ろした。
「こんな子供な私でもよければ、お話くらい、聞くよ。ゆきねぇ。ゆきねぇがそんな悲しそうな顔してるなんて、はじめてだもん。坂井さんと何かあった?喧嘩した?」
冷たい麦茶を出してくれて、美夜が訊ねた。私は頭を横に振った。
「まさか、坂井さん、浮気…?!」
「しないわよ。彼は、そういうの、しない」
「じゃあ、どうしたの?」
美夜は首を傾げている。私は唇を噛み締めて、俯いた。
「妊娠、した」
「えっ」
「子供が…出来たのよ」
私が一言だけそう言うと、美夜は目を丸くした。
「それは…喜ばしいことじゃ、ないの?坂井さん、喜ぶと思うよ」
「今日はね、滋、遅くなるって。滋に何か相談したかったんでしょ?LINEしてみる?」
美夜はキッチンにいて。買ってきた食材を片付けていた。私はソファに座って、俯いている。そして、美夜はゆっくりと歩み寄ってきて、私の隣に腰を下ろした。
「こんな子供な私でもよければ、お話くらい、聞くよ。ゆきねぇ。ゆきねぇがそんな悲しそうな顔してるなんて、はじめてだもん。坂井さんと何かあった?喧嘩した?」
冷たい麦茶を出してくれて、美夜が訊ねた。私は頭を横に振った。
「まさか、坂井さん、浮気…?!」
「しないわよ。彼は、そういうの、しない」
「じゃあ、どうしたの?」
美夜は首を傾げている。私は唇を噛み締めて、俯いた。
「妊娠、した」
「えっ」
「子供が…出来たのよ」
私が一言だけそう言うと、美夜は目を丸くした。
「それは…喜ばしいことじゃ、ないの?坂井さん、喜ぶと思うよ」
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