続・君につづく道

びぅむ

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第31部 サヨナラなんか出来ない

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数ヶ月後、私は、妊娠した。



理は相変わらず忙しいし、相談するにしても、誰に相談すれば良いのか分からなかった。理が結婚願望なんてないことは、もうとっくに知ってる。むしろ、よく今まで妊娠しなかったなって思うくらいだ、

滋と祐さんは、やっぱり男だし、そんなこと、相談しにくい。美夜は…、そんな年下の、これから明るい未来が待ってる女の子に、影を落とすような相談なんて、出来ない。

私は、しばらく会社を有給で休むことにした。つわりもあるし、体調は良くない。生理もないから、きっとそのうち理にもバレる。理にバレたら、きっと、呆れられて、うざいって思われて…。

それで、さよならって、言われるんだ。

そう思うと、辛くて…堪らなく辛くて、息ができない。

理といられるなら、結婚なんかしなくてよかった。ずっと2人でいいの。紙切れ一枚の手続きなんて、どうでもいいことなの。

なのに、なんで…?

理のことを誰よりも愛していて、大切で、大事で、他に何もいらないのに…妊娠したと分かったら、子供のことを切り離せない。
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