続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
511 / 652
第30部 キケンな歓迎会

20

しおりを挟む
「!!」

「おおおっ」

刑事さんたちが声をそろえる。さすがに私も驚くと、理はペロッと上唇を舐めて、

「あまーーい」

と古いギャグみたいな言葉を叫んで、私の肩にもたれて目を閉じた。

「デレだ!」

「坂井さんのデレ、出た!」

「写メ撮れ!」

「写メ撮れ!」

「みんなに送れよ!」

撮影会のように、みんなが理のデレ顔を撮っている。私はなんだかんだ面白くなってきて笑っていると、また芳沢さんが私に日本酒を注いだ。

「何本飲んだか、わかんないわぁ。まぁ、飲んで飲んで。それ飲んだら、坂井連れて帰るといいわよ」

芳沢さんが珍しくそう言うと、私は笑って頷いた。しかし。芳沢さんの「それ」は、熱燗2合のことだったけれど。きついけど、とりあえず早く帰るために、私は日本酒をクイックイッと飲むことにした。理は隣で寝息を立てている。

「芳沢さん、飲ませすぎ」

「だってぇ。あんたが飲ませろっつったんじゃん」

「帰り、たいへんだよぉ。馬鹿」

「年上に向かって馬鹿って言う?!」

芳沢さんはそう怒鳴るけれど、次の瞬間テーブルに頬を乗せて、グウグウ…と眠り始めた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...