続・君につづく道

第30部 キケンな歓迎会

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「個室じゃないのかー」

と徳田さんも悔しそうに言っている。とりあえず私と佐久間さんは２つの長い御座敷のテーブルの真ん中に座らされて、あとはみんな適当に腰を下ろした。20人くらい、いる。まだみんなの名前は覚えられない。女子の方が多い。上司は男性3人。3人とも50代前半くらいだ。まぁ、みんな明るくて活気のあるチームのようだ。

宴会が始まって1時間くらいで、もうみんなはかなり出来上がっている。佐久間さんは、私の隣からなかなか離れてくれない。周りには女子も代わる代わる席替えして来ているのに。

「渡部さん。スマホのLINE交換しよ」

「やです」

「電話番号」

「やです」

「でも、ほら、なにかあった時に連絡先知らないと、困るだろ」

「なにかある、という意味が分からない。ので、困りません」

私はことごとく突き放す。

「渡部さ～ん！つれない！可愛い！！」

ドMか！！

「あれ？渡部さん何飲んでるの？ハイボール？」

佐久間さんは空になった私のジョッキを覗き込むと、私は自分でも自分のジョッキを見た。

「ハイボール」

「次は何飲む？」

「ハイボール」

「ワイン飲まない？俺、ワイン好きなんだよ」

ワイン…。飲みたい。でもなぁ…。

「あ、私もワイン飲みたい！」

「私もぉ！」