491 / 652
第29部 優しいうたがきこえる
16
しおりを挟む
美夜は赤ちゃんを抱きながら、振り向いて雪子を見ると、
「ゆきねぇ、抱いてみなよ…かわいいよ!」
と笑顔で言った。
「えぇ?じゃ、俺その次な」
滋は子供みたいに頬を膨らませている。雪子はトレイを脇に置くと、美夜に歩み寄って、さゆりさんを見ると、
「なんか、怖いわ」
と言って微笑んでいる。さゆりさんは優しく笑って、
「大丈夫よ」
と言って背中を押すと、雪子は両手を差し出して美夜はゆっくりと赤ちゃんを雪子の腕に移した。
赤ちゃんを抱く姿を見て、何故か俺はドキッとして息を飲んで見入ってしまった。
なんだろう。
雪子が母親になったような光景に、涙が出そうになる。綺麗で、優しいうたが流れてきそうな…。
俺がそんな雪子に見惚れていると、榊原さんがニヤニヤ笑って俺を見つめていた。
「どうだ?ちょっと実感したろ?」
ハッと我に返る。
こいつの策略か!
俺は我に返って、榊原さんを睨みつけた。
そう。
ドキドキしてる。初めて雪子とキスした日のように、今更なのにドキドキする。
「結構、いいもんだぞ。俺の見立てでは、坂井も結構、こういうの、好きだろ」
「こういうの…って、なんだよ」
俺はムッとして、榊原さんを睨みつけた。
「本当は、望んでいること、だよ」
「ゆきねぇ、抱いてみなよ…かわいいよ!」
と笑顔で言った。
「えぇ?じゃ、俺その次な」
滋は子供みたいに頬を膨らませている。雪子はトレイを脇に置くと、美夜に歩み寄って、さゆりさんを見ると、
「なんか、怖いわ」
と言って微笑んでいる。さゆりさんは優しく笑って、
「大丈夫よ」
と言って背中を押すと、雪子は両手を差し出して美夜はゆっくりと赤ちゃんを雪子の腕に移した。
赤ちゃんを抱く姿を見て、何故か俺はドキッとして息を飲んで見入ってしまった。
なんだろう。
雪子が母親になったような光景に、涙が出そうになる。綺麗で、優しいうたが流れてきそうな…。
俺がそんな雪子に見惚れていると、榊原さんがニヤニヤ笑って俺を見つめていた。
「どうだ?ちょっと実感したろ?」
ハッと我に返る。
こいつの策略か!
俺は我に返って、榊原さんを睨みつけた。
そう。
ドキドキしてる。初めて雪子とキスした日のように、今更なのにドキドキする。
「結構、いいもんだぞ。俺の見立てでは、坂井も結構、こういうの、好きだろ」
「こういうの…って、なんだよ」
俺はムッとして、榊原さんを睨みつけた。
「本当は、望んでいること、だよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる