続・君につづく道

びぅむ

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第29部 優しいうたがきこえる

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美夜は瞳を煌めかせて、興味津々だ。私は枕に顔を埋めると、諦めてまた顔を上げた。

「…最初はね。つきあうとか、好きとか、なにもなくてね。知り合ってから1年くらい経ってから、初めてキスされたの」

「きす…!」

なんでひらがな?

私は仰向けになって、思い返していた。

「こんな年下な私なんか、相手にしていないって思ってたし、諦めてた。なのに、キスされたら、もう頭の中が、彼でいっぱいになったわ。好きなのかな?って悩んでたのに、答えを出す前に、彼は私から急に離れたの。2年くらいだったかな。九州に行ってて。いつの間にか帰ってきて、偶然会ったときに私には彼氏がいたのに、理にキスされたら、拒めなくて…」

「エッチしちゃったんだ」

美夜は照れながらもはっきり言うと、私は小さく頷いた。

「え?じゃ、そのあとから付き合うことになったの?」

あれ?いつからだったっけ?

つられて私も考え込む。美夜はまだ眠くないのか、まじまじと顔を覗き込んでいる。

「あ、美夜の小学校卒業した頃よ。みんなで静岡に行った帰りにね。理に言われたの。その時付き合ってた彼にプロポーズされてたから、その人と結婚するのか、とか、結婚するな…とか言われてね」
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