続・君につづく道

びぅむ

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第29部 優しいうたがきこえる

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リビングのテーブルには、空になった赤ワインのボトル。

ひとかけら残っているカマンベール。

一口分だけ残っているウィンナー。

二人分のグラスも、赤い縁が残っている。

ソファーには私が着ていたパジャマが脱ぎ捨てられて、床にはショーツ。

映画でよく見るワンシーンみたいなこんな朝の景色。

コテージの二階の洋室で、私と理は裸で抱き合って眠っていた。グレイの色のシーツが、ふわりと軽く掛かっているだけ。

理、本当に40手前なの?

って思うくらい、体力有り過ぎて、びっくり。こんなに何度もして、身体中あちこち痛い。キスマークがまた増えたから、プールなんて行けないわ。

昨夜の話は、すごく嬉しかったんだ。

本気で誰も愛したことがなかった理が、私を愛してくれたこと。

私を選んで、愛してくれたこと。

私にとっても、理が唯一愛した人だわ。

だから、すごく感動して、凄く嬉しかったの。今までのどの告白より、最高。

そして、濃い夜だった…。

こんなに幸せで、怖いくらい。

でも、これだけは言える。この先もずっと、理しか愛せない。

これからも、ずっと…。
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