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第28部 ファーストキス
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なんだか、泣きそうになった。この俺が。
切なくて、苦しくて…。ツンと胸が痛い。
「二十歳過ぎて、理と会えない日が続いた時、改めて気がついたの。理のことが好きだってこと。辛かったけど。久我さんとの時も、そうよ。何度も忘れようと思ったわ。でも、理に会ったら、触れてしまったら、…止められなかったの。凄いよね。理の力って。違うとこに向かっていた気持ちを、キス一つで引き戻せちゃうんだもの。なんの力なんだろう」
雪子は首を傾げてそう言うと、俺はグラスを持って水を飲んだ。
「そんなことも、わからないのか?雪子」
「え?」
「その答えは、もうお前の体に散々教え込んできたはずだけど。今も、ほら、首筋に見えてるやつ」
俺が指差して言うと、雪子はハッとして頬を赤く染めて首元を手で押さえた。
「なに?まだ足りなかった?今夜、また試そうか。それに、あの頃、そんなふうにお前を泣かせてたこと、知らなかった。今聞いて、俺、今すごく辛い。泣きそう。だからその分、今夜もいっぱい、しような」
俺がそう言って涙目になりながらも笑ってみせると、雪子は少し身を乗り出して、首を傾げて俺の顔を覗き込んだ。
切なくて、苦しくて…。ツンと胸が痛い。
「二十歳過ぎて、理と会えない日が続いた時、改めて気がついたの。理のことが好きだってこと。辛かったけど。久我さんとの時も、そうよ。何度も忘れようと思ったわ。でも、理に会ったら、触れてしまったら、…止められなかったの。凄いよね。理の力って。違うとこに向かっていた気持ちを、キス一つで引き戻せちゃうんだもの。なんの力なんだろう」
雪子は首を傾げてそう言うと、俺はグラスを持って水を飲んだ。
「そんなことも、わからないのか?雪子」
「え?」
「その答えは、もうお前の体に散々教え込んできたはずだけど。今も、ほら、首筋に見えてるやつ」
俺が指差して言うと、雪子はハッとして頬を赤く染めて首元を手で押さえた。
「なに?まだ足りなかった?今夜、また試そうか。それに、あの頃、そんなふうにお前を泣かせてたこと、知らなかった。今聞いて、俺、今すごく辛い。泣きそう。だからその分、今夜もいっぱい、しような」
俺がそう言って涙目になりながらも笑ってみせると、雪子は少し身を乗り出して、首を傾げて俺の顔を覗き込んだ。
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