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第28部 ファーストキス
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雪子は微笑みながらそう言ってスープを飲むと、俺はなんだかそんな雪子が初々しく思えて、スプーンを置いて、右手で雪子の耳に触れた。雪子も気がついて、スープを飲みながら顔を上げる。
「雪子のファーストキス、俺のもんか。すげぇ、嬉しい」
素直に俺が言うと、雪子もそんな俺を見て嬉しそうにはにかんだ。
「じゃ、理も私も、ちゃんとした恋愛って、初めてなのかもね」
「でも、お前はその間に二人も彼氏作ってたしな」
「うっ」
嬉しすぎて、ちょっと意地悪したくなった。
そうしてスープを飲み終わり、給仕が来て皿を片付けていく。雪子は苦笑いになって、俺をチラッと見つめる。
「恋愛…感情があったかどうかは、微妙だったわ。翔平と久我さんのことは。いい人。優しくて、紳士的な人。私のことを愛してくれてる人。でも、私は一度も好きだとも愛してるとも、言えなかった。…初めての夜の時、何故か後でワンワン泣いたの。凄く辛かった。だって、抱かれながら思い浮かべてたのは…理だったから。本当は理に…全てを捧げたかった…」
雪子は寂しそうな表情になって言うと、俺の胸がキュンと締め付けられた。
「俺を…思い浮かべてた…?」
「雪子のファーストキス、俺のもんか。すげぇ、嬉しい」
素直に俺が言うと、雪子もそんな俺を見て嬉しそうにはにかんだ。
「じゃ、理も私も、ちゃんとした恋愛って、初めてなのかもね」
「でも、お前はその間に二人も彼氏作ってたしな」
「うっ」
嬉しすぎて、ちょっと意地悪したくなった。
そうしてスープを飲み終わり、給仕が来て皿を片付けていく。雪子は苦笑いになって、俺をチラッと見つめる。
「恋愛…感情があったかどうかは、微妙だったわ。翔平と久我さんのことは。いい人。優しくて、紳士的な人。私のことを愛してくれてる人。でも、私は一度も好きだとも愛してるとも、言えなかった。…初めての夜の時、何故か後でワンワン泣いたの。凄く辛かった。だって、抱かれながら思い浮かべてたのは…理だったから。本当は理に…全てを捧げたかった…」
雪子は寂しそうな表情になって言うと、俺の胸がキュンと締め付けられた。
「俺を…思い浮かべてた…?」
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