続・君につづく道

びぅむ

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第28部 ファーストキス

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そこに、今度はスープが運ばれてきた。シンプルに、コーンポタージュスープだ。俺はスプーンを手に取り、スープを掬って飲むと、雪子も我に返ってスプーンを取った。

「私は…彼氏なんていらないと思ってたから、キスとか、もうそういうの論外だったわ。だから…」

雪子は少し恥ずかしそうに言って、静かにスープを掬って口元に運んでいる。と、俺はハッとして目を丸くした。

「今更だけど…もしかして、雪子。あれが、ファーストキス?」

俺が言うと、雪子は頬を赤く染めて、コクリと小さく頷いた。

何故か一人で、雪子に見えない位置でガッツポーズ!なんのガッツポーズだか自分でも分からないけど。

知らなかった。

いや、そりゃ、知るわけないけど。特に気にもしてなかった。あれがまさか。あの時のキスが、まさかの…!

「理…?」

雪子に話しかけられて、俺は我に返り雪子を見つめた。

「どうしたの?」

「いや。ビックリして。初めてと思わなかったから」

「え?な、なんで?」

「慣れてる気がした。なんか、気持ち良さそうだったじゃん」


「ば、馬鹿言わないで。あの時は頭の中、いっぱいいっぱいだったわ。理が、私に手を出すなんて思ってなかったし」
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