続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
443 / 652
第27部 旅行はテンション上がります⤴︎

7

しおりを挟む

女たちは、男を誘惑して気を許したところで財布を盗む。手段は大体いつも同じだ。

女2人を警察に引き渡して、俺と江藤は居酒屋に戻ると、他の男たちはテーブルに顔を伏せて眠っていて、雪子だけは一人でまだワインを飲んでいた。

すでに3本目…。しかも、殆どもう空だ。そりゃ普通の人なら倒れるな…。

「す、凄いっすね、雪子ちゃん」

「…だから言ったんだよ。こいつ、ザルだから。東京でもな、酒豪の女と飲み比べして潰したし。しかも、滅多に二日酔いにもならない。こいつと飲むと、大体はみんな潰れて翌日の仕事に支障が出る。特に、ワイン。いや、いいんだよ。こいつ、飲むとさらにエロくて可愛いからな」

俺はそう言って雪子の隣に腰を下ろすと、江藤は男どもの肩を叩いて起こそうとした。

「雪子?」

「…理…あの人と、消えた…」

「は?あ、あぁ、そっか。ちゃうちゃう。あいつら、とっ捕まえただけだ」

「捕まえた?私のことは、捕まえててくれないのに。置いてかれた…」

雪子はワインを飲みながら涙ぐんだ。

これ、酔ってんなぁ。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...