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第25部 理の反撃
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俺が好きな雪子は、そういう真っ直ぐなとこ。俺の気持ちに迷いさえなければ、雪子を悩ませることはない。でも、あのあとてっきり帰ったのかと思ったら、戻ってきて俺の看病をしてくれていたらしい。
たしかに、何度か目を覚ました時、雪子の寝顔がそばにあったような気がした。スポーツドリンクも自力で飲んだ覚えはないし、薬だって飲んだ覚えはない。多分、口移ししてくれたのか。冷凍庫には使いかけの氷もあった。熱さましのシートも、ゴミ箱に捨ててある。隣の部屋の江藤という同僚の警察官も、こっそり教えてくれた。
「本人からは内密だって言われたけどね。氷買いに行こうとしてたところに遭遇したから、分けてあげたんだ。素直に喜んで、氷枕、作ってあげてた。偉いね。あんな綺麗な人にあんな風に思われて、羨ましい」
江藤はそう言って、俺の肩をポンと叩いた。それを聞いて、胸が締め付けられた。俺が起きるまで、そばにいればよかったのに。
本当に…雪子のそういうところがしおらしいくて、可愛くて誇りにさえ思う。
余計に、離れてなんかいたくない。
俺は榊原さんの口添えもあり、追っている事件を無事に解決することができれば、早々に東京へ戻す、という条件を出された。
そんなこと、朝飯前だ。
たしかに、何度か目を覚ました時、雪子の寝顔がそばにあったような気がした。スポーツドリンクも自力で飲んだ覚えはないし、薬だって飲んだ覚えはない。多分、口移ししてくれたのか。冷凍庫には使いかけの氷もあった。熱さましのシートも、ゴミ箱に捨ててある。隣の部屋の江藤という同僚の警察官も、こっそり教えてくれた。
「本人からは内密だって言われたけどね。氷買いに行こうとしてたところに遭遇したから、分けてあげたんだ。素直に喜んで、氷枕、作ってあげてた。偉いね。あんな綺麗な人にあんな風に思われて、羨ましい」
江藤はそう言って、俺の肩をポンと叩いた。それを聞いて、胸が締め付けられた。俺が起きるまで、そばにいればよかったのに。
本当に…雪子のそういうところがしおらしいくて、可愛くて誇りにさえ思う。
余計に、離れてなんかいたくない。
俺は榊原さんの口添えもあり、追っている事件を無事に解決することができれば、早々に東京へ戻す、という条件を出された。
そんなこと、朝飯前だ。
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