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第24部 泣き虫なデザート
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私はそう言って、駅に向かって歩き出した。2人には、もう2度と会わないような気がする。平田さんには悪いけど、もう、他の誰にも邪魔されたくない。私は、理のこと、信じてる。
信じたいから。
私のことも、信じて欲しいから…。
*
平田は、悔しくて、でももうそれ以上何も言い返せなくて、涙ばかりが溢れてきた。一ノ瀬はそんな平田を見て肩を抱き寄せると、
「だからさ。坂井さんのことはもう諦めなって言ったろ?手強いんだ。坂井さんも、雪子ちゃんもね」
と優しく言うと、平田は涙を拭いながら顔を上げて一ノ瀬を見た。
「そんなに、私じゃだめ?何が、あの人とそんなに違うの?」
「…違うのはみんな、同じだよ。だけど、坂井さんを見ただろ?俺たちといる時と、明らかに違う顔。愛おしそうに、雪子ちゃんを見る眼差し。羨ましいよね。俺さ、平田さんのこと、結構好きだよ。セフレだけど、感情がある。俺のことも、見てよ。平田さんよりは若いけど、ガキじゃない。ガキじゃないところは、平田さんが良く知ってるはずだろ?」
「一ノ瀬…くん」
「ここから始まっても、いいと思うけど」
一ノ瀬はそう言って、平田をきつく抱きしめた。平田は目を閉じて、そんな一ノ瀬の温もりを感じていた。
「少し、時間がかかるかも。でも…私のことをわかってくれるのは…いつも一ノ瀬くんだけだったよね」
「そうだろ?」
自信満々に一ノ瀬が言うと、平田は泣きながらも少しだけ、微笑んだ。
信じたいから。
私のことも、信じて欲しいから…。
*
平田は、悔しくて、でももうそれ以上何も言い返せなくて、涙ばかりが溢れてきた。一ノ瀬はそんな平田を見て肩を抱き寄せると、
「だからさ。坂井さんのことはもう諦めなって言ったろ?手強いんだ。坂井さんも、雪子ちゃんもね」
と優しく言うと、平田は涙を拭いながら顔を上げて一ノ瀬を見た。
「そんなに、私じゃだめ?何が、あの人とそんなに違うの?」
「…違うのはみんな、同じだよ。だけど、坂井さんを見ただろ?俺たちといる時と、明らかに違う顔。愛おしそうに、雪子ちゃんを見る眼差し。羨ましいよね。俺さ、平田さんのこと、結構好きだよ。セフレだけど、感情がある。俺のことも、見てよ。平田さんよりは若いけど、ガキじゃない。ガキじゃないところは、平田さんが良く知ってるはずだろ?」
「一ノ瀬…くん」
「ここから始まっても、いいと思うけど」
一ノ瀬はそう言って、平田をきつく抱きしめた。平田は目を閉じて、そんな一ノ瀬の温もりを感じていた。
「少し、時間がかかるかも。でも…私のことをわかってくれるのは…いつも一ノ瀬くんだけだったよね」
「そうだろ?」
自信満々に一ノ瀬が言うと、平田は泣きながらも少しだけ、微笑んだ。
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