続・君につづく道

びぅむ

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第23部 大人は余裕な顔で嫉妬する

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解熱剤を飲ませたいけど、飲めるかな…。

「うぅ…ん…」

少し苦しそうに唸っている。私はスポーツドリンクの蓋を開けて、解熱剤とスポーツドリンクを一緒に口に含むと、理の唇を塞いで口移しで飲ませた。

口移しなんて、初めてだけど…。

そう思って心配して理を見つめると、理は無意識にゴクリと飲み込んでくれた。私はホッとして、またすぐに額の冷えピタを張り替えた。

部屋の明かりは消したまま。トイレにもまだ起き上がらない。私はベッドの傍で理を見守りながら、額の熱さましのシートを何度も冷たいシートに取り替えていった。時々スポーツドリンクも口移しで飲ませて、だいぶ飲み込みが早くなった。水分を欲しがってる。

「理。早く良くなってね。今度会うときは、また元気な姿、みせて。さっきみたいなかっこいいとこ、もっと見せて。大好き。理、大好き…!」

理の手をギュッと握ると、理は無意識なのに、ギュッと握り返してくれた。

「雪子……」

うわ言?

それでも、嬉しかった。

あなたの夢に、出て来てる?

夢の中で、私はどんな顔をして理と話してる?
(へんなことはしてないよね?)

どんな私も、理のこと、きっと好きだよ。

だから、早く良くなって。



そして…またいっぱい、抱いてね。
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