続・君につづく道

第23部 大人は余裕な顔で嫉妬する

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「滋。理、部屋の鍵、かけたかな？」

「え？いや、おっさんが寝てから俺が出てきたからな。普段、鍵かけないみたいで、いつもいろんな人が部屋に出入りしてるみたいだよ。飲み物とか食べ物とか」

「かけなさいよね、鍵くらい。私には散々鍵かけろってうるさいくせに」

「それはお前の身が危ないから…。危機感ゼロだし」

滋は苦笑いしている。

「滋、一人で帰って。私…理にバレないようにこっそり看病してくる」

「え？こっそりじゃなくても別に、今更」

「理が珍しく真面目に話をまとめたからね。カッコつけさせてあげたいじゃない？」

私はそう言って、また来た道に戻ると、

「じゃ、またね！滋！」

と言って手を振って駆け出した。

「東京でな！」

滋は背中の向こうでそう叫んでいた。私は、ここに来た一番の理由を忘れてて、とりあえず薬局かドラッグストアに向かった。

熱がまだ下がらない。とりあえず熱を下げなきゃ。滅多に風邪なんか引かないのに、なんでこんな真夏に引くのかな…。さっきは気づかなかったけど、咳は？喉は？鼻水とか…どんな症状なんだろう。一度、様子を見に行こうか。

平田さんが、来る前に。