続・君につづく道

びぅむ

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第23部 大人は余裕な顔で嫉妬する

6

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私はそう言って背中を向けて靴を履くと、理は後ろから「雪子」と言って呼び止めた。理は私に歩み寄ってくると、腕を引き寄せて唇を重ねてきた。そして、唇がゆっくりと離れると、優しい笑みを浮かべて私の頬を右手の掌で覆って、

「好きだよ」

とたった一言、言ってくれた。

そう。

私はこんな理に惹かれたんだ。

揺るぎないものを持ってる人。

同い年くらいの男の人にはない、この余裕。この自信。大人の魅力。

最初は仕事に向けられた執念が、胸を打った。その情熱が色を変えて、愛情に変わった時、私は彼に愛されたいと願うようになったんだ。

理が、平田さんやほかの女の人に惹かれるはずはない。あんなに私を愛して、可愛がってくれて、求めてくれるんだから。平田さんのこと、動揺もせず、堂々と「違う」と言い切った。私はこれ以上、疑うことはできない。私も理のように、堂々と理を愛したい。

私のことを、信用してくれている。
それなら、私も理を信じよう。
寂しくても、もう泣き言を言ったりしない。

私、強くなる。


理に愛される女性でいるために。
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