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第22部 ひとり寝は寂しいです
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「滋…」
「駅まで、一緒に行くか」
「…うん」
夕暮れがかっている真夏の東京。
ここ数日、雨も降っていない。学生達の下校時間なので、笑い声が聞こえて来る細い路地裏。
私は滋と歩いていくと、
「なぁ、雪子。おまえ…こないだのこと、坂井さんに言ったか?」
と言い出すと、私はギクッとした。
「…俺は…」
「滋、やめて。私は…」
私が滋の言葉を遮ると、滋は顔を上げて私を見つめた。
「…坂井さんに、話すよ」
「え?」
「坂井さんなら、信じてくれる」
滋がそう言うと、私は唇を噛み締めた。
「だけど、あの時、俺は雪子をほっとけなかった。それだけは本心だ」
「…ごめん。ありがとう…」
私はそう呟いて、俯いた。滋も、その後、一言も言わなかった。
滋とは、何も始まらない。もう、遅いから。
私には、理だけ。
それだけは、紛れもない事実だから。
それは……。
芳沢さんと泡盛を飲んでいた日。
さすがに結構悪酔いして、帰れなかった。会社のことでも落ち込んで、理にも会えなくて寂しくて。ひとり寝が寂しくて…。そんな時に悪酔いして、駅前で私はしゃがみ込んでしまった。
タクシーで帰るしかないか。
「駅まで、一緒に行くか」
「…うん」
夕暮れがかっている真夏の東京。
ここ数日、雨も降っていない。学生達の下校時間なので、笑い声が聞こえて来る細い路地裏。
私は滋と歩いていくと、
「なぁ、雪子。おまえ…こないだのこと、坂井さんに言ったか?」
と言い出すと、私はギクッとした。
「…俺は…」
「滋、やめて。私は…」
私が滋の言葉を遮ると、滋は顔を上げて私を見つめた。
「…坂井さんに、話すよ」
「え?」
「坂井さんなら、信じてくれる」
滋がそう言うと、私は唇を噛み締めた。
「だけど、あの時、俺は雪子をほっとけなかった。それだけは本心だ」
「…ごめん。ありがとう…」
私はそう呟いて、俯いた。滋も、その後、一言も言わなかった。
滋とは、何も始まらない。もう、遅いから。
私には、理だけ。
それだけは、紛れもない事実だから。
それは……。
芳沢さんと泡盛を飲んでいた日。
さすがに結構悪酔いして、帰れなかった。会社のことでも落ち込んで、理にも会えなくて寂しくて。ひとり寝が寂しくて…。そんな時に悪酔いして、駅前で私はしゃがみ込んでしまった。
タクシーで帰るしかないか。
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