続・君につづく道

びぅむ

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第22部 ひとり寝は寂しいです

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私が所属していた部署の課長が異動してきた。それが、今回の事の、発端だ。

前任は有田課長だったけれど、後任として高野康二という52歳になる男性がやって来た。有田さんは優しくて、物腰の柔らかい口調で、みんなの癒し系だった。頼りなさげだけれど、嫌われてはいなかったし、パワハラもセクハラもするような人ではない。でも、定年退職で退いてしまったので、後任が来ることになったんだ。

高野さんは、高圧的な態度で、上からモノを言うタイプだ。仕事中でも私の手を握って来たり、お尻を触って来たり…は日常茶飯事だ。それくらいなら、まだいい。でも会社の飲み会に参加した時、キスされそうになった。ホテル行こう、とまで言ってきた。しかも、スカートの中に手を入れてきて、触られそうになった。さすがに、酷い。私は頭に来て、思わず殴り飛ばしてしまったんだ。

そしたら、今度は私のことを暴力を振るわれたとかで訴えると言ってきた。私が警察に知り合いがいるから、会社では好き勝手に動いて他の社員にいじめをしている、など、いわれのない訴えを並べられた。

そのために、会社側から私は自主退職を促されていた。
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