続・君につづく道

第20部 嵐の前の温泉旅行 前編

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さゆりさんは穏やかな笑顔で言うと、雪子とさゆりは顔を見合わせて微笑み、雪子は日本酒を一口喉に流し込んだ。

「あの時、私も彼と付き合うことになるとは思わなかったけれど」

「そうねぇ！渡部さんは佃島くんとくっつくと思ってたわ！」

そうだな。確かに雪子に1番近い存在は滋だった。だから、滋と付き合うことになっても、そんなに違和感はなかったかもしれない。俺もそう思って頷いていると、雪子もクスッと笑った。

「でも、彼と付き合うまでは、いろいろありましたけど」

チラッと雪子が俺を見ると、俺は素知らぬ顔をして日本酒を注いで飲んだ。榊原さんも頷いて頬杖をついている。

「煮え切らない態度をしてたのは、坂井だからなー」

「は？そうか？俺は別に。てか、なんでそんなことまで榊原さんは知ってるんだよ」

「松林が、酔って言ってた」

あの馬鹿か！

「今回の雪子ちゃんの相談事も、安心して良い。なんとかするからな」

榊原さんは真顔になって言うと、雪子は深く頭を下げた。俺はそんな雪子の手を繋ぐと、雪子は俺を見つめて涙ぐんでいる。

「榊原さん。俺、やっぱり早めに東京に戻りたい」