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第20部 嵐の前の温泉旅行 前編
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証言を集めてるとこだ。だが、本人は認めてなくて。濡れ衣だって言い張ってるんだって』
「なるほどね。…厄介だな。決定的な証拠を突きつけないと、駄目か。セクハラなんか、本人の証言だけでなんとかなるのに。てこずってるな…。マツがどこまでやってくれるか」
俺はため息をついて頭をかいた。
『もしも、うまくいかなかったら…どうする?何か良い手はあるかな』
祐が心配そうに言うと、俺は歯軋りをして雪子の笑顔を思い浮かべた。
「もしも駄目な場合は…俺が動く!このまま奴を野放しになんかしない!」
『坂井さん…。そうか。そうだよな!』
「あぁ。ったりめぇだ!俺を怒らせたことを、後悔させてやる…。そのためにあの会社を潰しても構わない!」
そうして、電話を終えてポケットにしまうと、部屋を出て大浴場へと向かった。
*
大浴場でのんびりと温泉に浸かった後は、浴衣姿で一緒に榊原さんの泊まっている部屋に向かった。
「あれ?化粧落としたんじゃないの?」
雪子は湯上り時はいつもすっぴんなのに、ほんのり化粧をしていることに気付いて、俺は歩きながら雪子の顔を覗き込んだ。
雪子はぎくっとして苦笑いになって、耳元に垂れた髪を耳にかけた。
「なるほどね。…厄介だな。決定的な証拠を突きつけないと、駄目か。セクハラなんか、本人の証言だけでなんとかなるのに。てこずってるな…。マツがどこまでやってくれるか」
俺はため息をついて頭をかいた。
『もしも、うまくいかなかったら…どうする?何か良い手はあるかな』
祐が心配そうに言うと、俺は歯軋りをして雪子の笑顔を思い浮かべた。
「もしも駄目な場合は…俺が動く!このまま奴を野放しになんかしない!」
『坂井さん…。そうか。そうだよな!』
「あぁ。ったりめぇだ!俺を怒らせたことを、後悔させてやる…。そのためにあの会社を潰しても構わない!」
そうして、電話を終えてポケットにしまうと、部屋を出て大浴場へと向かった。
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大浴場でのんびりと温泉に浸かった後は、浴衣姿で一緒に榊原さんの泊まっている部屋に向かった。
「あれ?化粧落としたんじゃないの?」
雪子は湯上り時はいつもすっぴんなのに、ほんのり化粧をしていることに気付いて、俺は歩きながら雪子の顔を覗き込んだ。
雪子はぎくっとして苦笑いになって、耳元に垂れた髪を耳にかけた。
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