続・君につづく道

びぅむ

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第20部 嵐の前の温泉旅行 前編

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「電話をかけてきた奴らは、1人はあいつの一番の理解者。もう1人は大切な友人。2人とも親友なんだ。男も女も関係ない。そいつらがいるから、今の俺たちがいる。そういう関係だ。俺は、雪子を疑うことはない。今までも、この先も、ずっとな」

俺はそう言って、2人に背を向けて歩き出した。まったく。どいつもこいつも、俺たちを引き離そうとするつもりか?馬鹿にすんな。

そんなもので、俺たちは別れたりしないんだよ。

自分の部屋に戻ると、雪子は俺の部屋の前で出かける準備をして待っていた。

「雪子…お前なんで中で待ってないんだよ」

「だって。待ちきれなくて」

「ここは輩が多いんだぞ。どっかに連れ込まれたらどうすんだ」

「だってみんな警察官でしょ?そんな不祥事起こさないでしょ?」

変なところで男を信用するんだよな、こいつは。

俺はそう思うと、吹き出して雪子の頭を引き寄せた。とりあえず自分の部屋の鍵をかけて、ふと隣の部屋のドアを叩いた。インターホンではなくノックをすると、中から一ノ瀬の同期の男が2人、恐る恐る出てきて、俺を見て苦笑いになっている。

「あ、さ、坂井さん」

「お前ら、聞いてたろ?盗み聞きしやがって」

「いや、壁薄いのに、あんなことしてるあんたの方が…」
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