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第19部 真夏の北国 ③
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「ちょ…!な、何?!あのやらしいの!」
平田が車の窓にへばりついて、頬を赤く染めて声を上げる。隣の車で、坂井理と渡部雪子が激しくキスを交わしていた。一頻り激しいキスの後、坂井は急ぐように車を走らせて、平田たちの前からいなくなった。
ハンドルに肘をつきながら、一ノ瀬もため息をついている。
「ありゃ、割り込む隙もないな。平田さん。諦めなよ」
「嫌よ!!なんなのよ!!何あの女!性格悪いじゃん?!冷静に私のこと馬鹿にした!取り乱したりもしない。あーいう女、大嫌い!坂井さん、やっぱりあの女に騙されてるのよ!!」
平田が窓を叩きつけると、ふと、後部座席の隙間にスマホがあることに気がついた。
「あ、これ」
平田はスマホを取ってみた。さっき、雪子からは奪ったスマホだ。着信が鳴っている。平田はスマホをジッと見つめていると、
「ねぇ、一ノ瀬さん。あの人のスマホ、電話が来てる。出てみてよ」
と言って一ノ瀬に差し出すと、一ノ瀬は振り向いて平田を見つめた。
「お前さ。坂井さんのこと、もう、諦めなよ。これ以上やると、嫌われるだけだ。いまならまだ間に合う」
「嫌よ。そんなこと言わないで。私に協力してよ。ほら、電話に出て」
「ちょ…!な、何?!あのやらしいの!」
平田が車の窓にへばりついて、頬を赤く染めて声を上げる。隣の車で、坂井理と渡部雪子が激しくキスを交わしていた。一頻り激しいキスの後、坂井は急ぐように車を走らせて、平田たちの前からいなくなった。
ハンドルに肘をつきながら、一ノ瀬もため息をついている。
「ありゃ、割り込む隙もないな。平田さん。諦めなよ」
「嫌よ!!なんなのよ!!何あの女!性格悪いじゃん?!冷静に私のこと馬鹿にした!取り乱したりもしない。あーいう女、大嫌い!坂井さん、やっぱりあの女に騙されてるのよ!!」
平田が窓を叩きつけると、ふと、後部座席の隙間にスマホがあることに気がついた。
「あ、これ」
平田はスマホを取ってみた。さっき、雪子からは奪ったスマホだ。着信が鳴っている。平田はスマホをジッと見つめていると、
「ねぇ、一ノ瀬さん。あの人のスマホ、電話が来てる。出てみてよ」
と言って一ノ瀬に差し出すと、一ノ瀬は振り向いて平田を見つめた。
「お前さ。坂井さんのこと、もう、諦めなよ。これ以上やると、嫌われるだけだ。いまならまだ間に合う」
「嫌よ。そんなこと言わないで。私に協力してよ。ほら、電話に出て」
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