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第19部 真夏の北国 ③
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運転している一ノ瀬さんの横顔を睨みつけると、さすがに冷静だった一ノ瀬さんも少し動揺して苦笑いになった。
「さ、さすが坂井さんの彼女さんだ。強いね。カッコいいね。でも、ご心配なく」
「は?」
「もう、迎えが来たみたいだよ」
一ノ瀬さんがそう言って、ニッコリと微笑んだ。私と平田さんは同時に左側の窓を見ると、隣の車線に坂井さんの車が止まり、運転席からこっちの車をギリギリと睨みつけていた。
やっぱり、来た。
ヒーローみたいなとこ、あるのよね。
私は理の顔を見ると、理も私を見て少しホッとしたみたいだ。
「な、なんで?!なんでここって分かるの?!」
「いや。…雪子ちゃんが分かりやすくヒント、言ってたからね。さっき。…チェッ。タイムオーバーか」
一ノ瀬さんはため息をつくと、近くの公園の駐車場に車を止めた。
「ち、ちょっと一ノ瀬くん!坂井さん、めっちゃ怒ってるよ。怖いよぉ!フォローしてよね!」
と平田さんが激しく動揺して、一ノ瀬さんの肩を揺すっている。私はまたそんな二人を睨むと、
「私は訴え続けるけどね」
と冷たく言い放った。
「一ノ瀬さん、ドアを…」
「え?」
一ノ瀬さんが私を見つめる。が、私の座る助手席のドアが思い切り蹴飛ばされた。
「てめぇ!開けろや!!」
ほーら。怒ってるよ。知らなーい。ロック外してってもっと早く言えば良かった?でも、いい気味よ。車、ボコボコになればいいんだわ。
「さ、さすが坂井さんの彼女さんだ。強いね。カッコいいね。でも、ご心配なく」
「は?」
「もう、迎えが来たみたいだよ」
一ノ瀬さんがそう言って、ニッコリと微笑んだ。私と平田さんは同時に左側の窓を見ると、隣の車線に坂井さんの車が止まり、運転席からこっちの車をギリギリと睨みつけていた。
やっぱり、来た。
ヒーローみたいなとこ、あるのよね。
私は理の顔を見ると、理も私を見て少しホッとしたみたいだ。
「な、なんで?!なんでここって分かるの?!」
「いや。…雪子ちゃんが分かりやすくヒント、言ってたからね。さっき。…チェッ。タイムオーバーか」
一ノ瀬さんはため息をつくと、近くの公園の駐車場に車を止めた。
「ち、ちょっと一ノ瀬くん!坂井さん、めっちゃ怒ってるよ。怖いよぉ!フォローしてよね!」
と平田さんが激しく動揺して、一ノ瀬さんの肩を揺すっている。私はまたそんな二人を睨むと、
「私は訴え続けるけどね」
と冷たく言い放った。
「一ノ瀬さん、ドアを…」
「え?」
一ノ瀬さんが私を見つめる。が、私の座る助手席のドアが思い切り蹴飛ばされた。
「てめぇ!開けろや!!」
ほーら。怒ってるよ。知らなーい。ロック外してってもっと早く言えば良かった?でも、いい気味よ。車、ボコボコになればいいんだわ。
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