299 / 652
第19部 真夏の北国 ③
5
しおりを挟む
運転している一ノ瀬さんの横顔を睨みつけると、さすがに冷静だった一ノ瀬さんも少し動揺して苦笑いになった。
「さ、さすが坂井さんの彼女さんだ。強いね。カッコいいね。でも、ご心配なく」
「は?」
「もう、迎えが来たみたいだよ」
一ノ瀬さんがそう言って、ニッコリと微笑んだ。私と平田さんは同時に左側の窓を見ると、隣の車線に坂井さんの車が止まり、運転席からこっちの車をギリギリと睨みつけていた。
やっぱり、来た。
ヒーローみたいなとこ、あるのよね。
私は理の顔を見ると、理も私を見て少しホッとしたみたいだ。
「な、なんで?!なんでここって分かるの?!」
「いや。…雪子ちゃんが分かりやすくヒント、言ってたからね。さっき。…チェッ。タイムオーバーか」
一ノ瀬さんはため息をつくと、近くの公園の駐車場に車を止めた。
「ち、ちょっと一ノ瀬くん!坂井さん、めっちゃ怒ってるよ。怖いよぉ!フォローしてよね!」
と平田さんが激しく動揺して、一ノ瀬さんの肩を揺すっている。私はまたそんな二人を睨むと、
「私は訴え続けるけどね」
と冷たく言い放った。
「一ノ瀬さん、ドアを…」
「え?」
一ノ瀬さんが私を見つめる。が、私の座る助手席のドアが思い切り蹴飛ばされた。
「てめぇ!開けろや!!」
ほーら。怒ってるよ。知らなーい。ロック外してってもっと早く言えば良かった?でも、いい気味よ。車、ボコボコになればいいんだわ。
「さ、さすが坂井さんの彼女さんだ。強いね。カッコいいね。でも、ご心配なく」
「は?」
「もう、迎えが来たみたいだよ」
一ノ瀬さんがそう言って、ニッコリと微笑んだ。私と平田さんは同時に左側の窓を見ると、隣の車線に坂井さんの車が止まり、運転席からこっちの車をギリギリと睨みつけていた。
やっぱり、来た。
ヒーローみたいなとこ、あるのよね。
私は理の顔を見ると、理も私を見て少しホッとしたみたいだ。
「な、なんで?!なんでここって分かるの?!」
「いや。…雪子ちゃんが分かりやすくヒント、言ってたからね。さっき。…チェッ。タイムオーバーか」
一ノ瀬さんはため息をつくと、近くの公園の駐車場に車を止めた。
「ち、ちょっと一ノ瀬くん!坂井さん、めっちゃ怒ってるよ。怖いよぉ!フォローしてよね!」
と平田さんが激しく動揺して、一ノ瀬さんの肩を揺すっている。私はまたそんな二人を睨むと、
「私は訴え続けるけどね」
と冷たく言い放った。
「一ノ瀬さん、ドアを…」
「え?」
一ノ瀬さんが私を見つめる。が、私の座る助手席のドアが思い切り蹴飛ばされた。
「てめぇ!開けろや!!」
ほーら。怒ってるよ。知らなーい。ロック外してってもっと早く言えば良かった?でも、いい気味よ。車、ボコボコになればいいんだわ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。
風
恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。
飼主さんが大好きです。
グロ表現、
性的表現もあります。
行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。
基本的に苦痛系のみですが
飼主さんとペットの関係は甘々です。
マゾ目線Only。
フィクションです。
※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる