続・君につづく道

びぅむ

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第18部 真夏の北国 ②

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雪子と会うのは、4ヶ月ぶりだった。4月から北海道にきて、ゴールデンウィークは死ぬほど事件に追われて、東京に行くこともできず、雪子もさすがに遠慮して、北海道には来なかった。

付き合ってから、同棲してから、こんなに会わなかった日はない。

俺は雪子の唇から、なかなか離れられなかった。懐かしい感触。甘い味。柔らかな吐息。優しい音色の喘ぎ声。

全てが、俺を刺激する。雪子とのキスを止めないまま、抱きしめあって少しずつ部屋の奥に移動してベッドに向かった。ベッドはシングルかツインかも思ったら、ダブルベッドだった。

「さ、榊原さんが、ここをチェックインしてくれたの。どうせ理をよこすから、そしたら帰らないだろうし、って。それならツインよりダブルがいいよね…って。わ、私じゃないわよ。榊原さ…」

俺はたまらなく、再び唇を重ねてベッドに押し倒した。

久しぶりに会ったその唇から、ほかの男の名前を何度も口にするなんて許せない。俺は頭の中では、たくさん聞きたいこともあるけれど、それよりも雪子の素肌を見たかった。早く触れたくて、たまらなかった。ほんとに、限界。お盆までモつかとか分からなかったけど、まさかここで雪子に会えると思わなかったから、体の方が喜んでる。
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