続・君につづく道

第17部 真夏の北国 ①

17

エレベーターを降りて二つ目の部屋だ。

ドアの横のインターホンのボタンを押すと、ポーン…と電子音が響いた。

部屋の中の足音が、少しだけど聞こえる。

俺は頭をかいて舌打ちすると、ガチャガチャとチェーンを外す音が聞こえてきた。そして、ロックが外れてドアがゆっくり開いていくと、

「あ、札幌北西部署の坂井…」

と名乗ろうとすると、突然誰かに飛びつかれた。

「？！」

え？？

なんだ？！

いや。

待て。

待て待て！

この匂いは…。

この柔らかさは…。



「理…！」



この声は…！！


俺は咄嗟に両腕を彼女の背中に回してギュッと抱きしめた。


「え？！…ゆ、雪子？！」


「理…！会いたかった…！！」


俺は驚いて息も出来なかった。が、肩を掴んでゆっくり離すと、目の前には雪子がいた。少し涙ぐんで、赤い目をしている。泣いてた？寂しげな笑顔を俺に向けている。

「雪子…！！」

「理…！！」

俺は頭の中がパニくっていたけれど、雪子がいることにはなんの動揺もなく素直に嬉しかった。心臓が飛び出しそうなほど、飛び上がりそうなほど、嬉しかったんだ。


俺はすぐに、雪子の唇を重ねて、雪子を味わうことにした。