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第17部 真夏の北国 ①
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婦人警察官の平田は紺色の警察官の制服を着て、交通課の巡回の仕事を終えて戻ってくると、警察署の入り口でソワソワ行ったり来たりしている若い女性を見つめた。
若い、と言っても、そんなに年は変わらなそうだ。平田は28歳だが、その女性は20代半ば頃に見えるし、もっと大人っぽく見える。とにかく、同性から見ても、美人だ。
肩甲骨あたりまで伸びた髪。
ベージュのレースのカーディガンに黄色の膝より少し上のワンピース。
パンプスを履いている。身長は…平田が162センチだから、同じくらいか、それより少し低いかもしれない。細身だけれど、胸は少しある。スタイルが良くて、平田もつい見惚れていた。
旅行客なのか、赤いキャリーバッグを引いている。署の入り口で、俯いて「うーん」と唸っていると、平田が彼女の肩をポンと軽く叩いて、
「どうかしましたか?」
と声をかけてみた。彼女は顔を上げて平田を見ると、
「あ、こちらでお勤めの、女性警察官の方ですか?」
と柔らかなトーンで答えた。
婦人警察官の平田は紺色の警察官の制服を着て、交通課の巡回の仕事を終えて戻ってくると、警察署の入り口でソワソワ行ったり来たりしている若い女性を見つめた。
若い、と言っても、そんなに年は変わらなそうだ。平田は28歳だが、その女性は20代半ば頃に見えるし、もっと大人っぽく見える。とにかく、同性から見ても、美人だ。
肩甲骨あたりまで伸びた髪。
ベージュのレースのカーディガンに黄色の膝より少し上のワンピース。
パンプスを履いている。身長は…平田が162センチだから、同じくらいか、それより少し低いかもしれない。細身だけれど、胸は少しある。スタイルが良くて、平田もつい見惚れていた。
旅行客なのか、赤いキャリーバッグを引いている。署の入り口で、俯いて「うーん」と唸っていると、平田が彼女の肩をポンと軽く叩いて、
「どうかしましたか?」
と声をかけてみた。彼女は顔を上げて平田を見ると、
「あ、こちらでお勤めの、女性警察官の方ですか?」
と柔らかなトーンで答えた。
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