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第17部 真夏の北国 ①
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犯人は矢代貴嗣。中学時代は富良野に住んでいたらしい。思い出を辿るとすると、よくある話では中学校の校舎とか、よく通った定食屋とかファーストフード店。商店街にあるゲームセンターやボーリング場も怪しい。
「あ、確かに二日前、来ましたね。この人」
ゲームセンターの従業員に矢代の写真を見せると、ため息まじりにそう言われた。顔をじっと見つめるが、嘘をついてはいないようだ。
「ここを出て、どっちに向かいましたか?」
「右かな。駅と反対方向だから、近所の人かなーと思ったんだよね。見たことある人だったし。昔の面影残ってたから」
従業員の30代くらいの男が答えると、俺と一ノ瀬は顔を見合わせた。
「一人、でしたか?」
と一ノ瀬が訊ねると、男は首を捻って思い出そうと眉をしかめた。
「来た時は一人なんだけど、途中から女の子が来た、かも。彼女かな?仲良さそうで。大きな紙バッグを渡してた」
男が言うと、俺はチッと舌打ちをした。
「着替えたか。他にも仲間がいるかもな」
俺と一ノ瀬は、ゲームセンターを後にして車に戻った。
犯人は矢代貴嗣。中学時代は富良野に住んでいたらしい。思い出を辿るとすると、よくある話では中学校の校舎とか、よく通った定食屋とかファーストフード店。商店街にあるゲームセンターやボーリング場も怪しい。
「あ、確かに二日前、来ましたね。この人」
ゲームセンターの従業員に矢代の写真を見せると、ため息まじりにそう言われた。顔をじっと見つめるが、嘘をついてはいないようだ。
「ここを出て、どっちに向かいましたか?」
「右かな。駅と反対方向だから、近所の人かなーと思ったんだよね。見たことある人だったし。昔の面影残ってたから」
従業員の30代くらいの男が答えると、俺と一ノ瀬は顔を見合わせた。
「一人、でしたか?」
と一ノ瀬が訊ねると、男は首を捻って思い出そうと眉をしかめた。
「来た時は一人なんだけど、途中から女の子が来た、かも。彼女かな?仲良さそうで。大きな紙バッグを渡してた」
男が言うと、俺はチッと舌打ちをした。
「着替えたか。他にも仲間がいるかもな」
俺と一ノ瀬は、ゲームセンターを後にして車に戻った。
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