続・君につづく道

第17部 真夏の北国 ①

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逃亡犯は、札幌市内で事故を起こし、歩行者を跳ね飛ばして即死させた。が、一瞬だけ車を止めたにも関わらず逃亡したのだ。交通課から情報を得て、捜査網を張り、運転していたのは20代前半のトラック運転手だと判明。トラックは発見したが、犯人の姿はない。自家用車で逃げているのだ。北海道から出さないように網を張っているが、なかなかしぶとく、車もちょいちょい替えてくる。頭がいい。

「下手したら、今日帰れないとか？」

一ノ瀬が運転しながら言うと、俺はため息をついた、

「かもな。まぁ、俺は飲み会に行く気もないし、ちょうどいいけど」

「そんなに平田のこと、いやですか？」

苦笑いして一ノ瀬が言うと、俺は大きく頷いた。

「こえぇよ、あいつ。何言っても通じない。ストーカー気質があるな。今までも危ない噂とか、あったんじゃないか？」

と俺は言いながら一ノ瀬を見ると、一ノ瀬は「うーん」と唸っている。何か知ってそうだ。

「彼女ね、昔、婚約者に逃げられちゃったんですよ。結婚式の前日に。それから人間不信になって。でも結婚願望がさらに強まって、人間不信が逆の効果になっちゃったみたいで…とにかく結婚したいから、ガツガツ肉食で迫ってくるんですよ」