続・君につづく道

第16部 合コン大作戦 後編

4

「いやぁ…違うね。まぁ…大丈夫」

「邑田さんがしつこくて困ってるのよ」

千春が正直に言うと、男2人と女の子は頷き合った。

「邑田に女心はわからないからな」

「しつこい男は嫌われるよ」

千春はふと、入り口側に座る坂井理を見ると、坂井は2人を追って立ち上がろうとするが、向かい側の女が坂井の腕を掴んで、

「どこ行くのよ！ここにいて！」

と言って強引に座らせた。

「あの子に捕まってるのかぁ。大丈夫かな、雪子さん」

千春はそう呟いてため息をつくと、隣に座っている男子はクスクス笑って千春を見て、

「なんか、心配性？友達のこと。全然楽しんでないでしょ？」

と頬杖をついて言うと、千春は少しドキッとして彼を見つめた。改めて顔をちゃんと見たのは、この時が初めてだったかもしれない。穏やかで優しい笑顔。千春のタイプだ。

「う、うん…」

「楽しもうよ。せっかくこうして会えたんだしね」

「そうね。そうだよね！」

2人は顔を見合わせて笑った。

ま、雪子さんなら大丈夫でしょ。そこに坂井さんもいるし。

他の男たちは顔を見合わせて、ヒソヒソと呟いている。

「あーあ。邑田に雪子ちゃん、お持ち帰りされちゃうかな」

「落とされちゃうかもな」

「雪子ちゃんに説教されてても、嬉しそうだったな、邑田」